最終回感想:ハピネスチャージプリキュア!第49話「愛は永遠に輝く!みんな幸せハピネス!」

    1年間続いたハピネスチャージプリキュア!が、とうとう最終回を迎えました。

    最近ブログ更新をサボリ気味でしたが、流石に今日は感想を書いておこうと思います。
    なお最終回のみの感想というよりは、この作品全体に関する感想にするつもりです。

    その前に今日まで私達ファンに作品を提供して下さった制作・放送等を初めとした全ての関係者の皆様に、心から感謝とお礼の言葉を贈りたいです。

    1年間ハピネスチャージプリキュア!からワクワクした気持ちと幸せハピネスを貰いました。
    楽しい作品をありがとうございました。






    まず1話から最終話まで見た全体を通しての感想として、
    ハピネスチャージプリキュア!は主に以下の3つのテーマを描いた作品だったと感じました。

     <(主に中学生の)恋愛とその結末>
     <4人の成長>
     <愛や幸せは儚く消え行くものなのか>


    このうち最終回を含む作品終盤では、主に最後のテーマがメインでした。





    レッドやその影響下にあったクイーンミラージュの基本思想は「愛は幻、幸せは一瞬」でした。
    (本作で愛と幸せがセットで語られるのは、大切な幸せの多くが愛から生まれるものだからでしょう。)

    その背景として、ミラージュはブルーに対する想いが(少なくとも300年前には)実を結ばず、緑豊かで命で満たされていた惑星レッドは滅亡し荒野の星となった経験があります。

    幻影帝国による侵攻が進んでいた作品序盤では、ミラージュ達は世界征服の障害としてプリキュアと戦っていると思っていましたが、今にして思えば愛や幸せの象徴としてプリキュアを倒し、それらを否定することに意味があったのでしょう。

    そしてその思想に対するラブリーの答えは、第43話でミラージュに言った「一度見た幸せは、どんな苦しみや悲しみの中でも無くなったりしないはず」であり、最終回でレッドに言った「愛は心にあり続ける」や「愛はみんなの心の中から生まれ続ける」でした。

    彼女は愛や幸せが「心の中に残る」ということと、「新たに生まれる」という2つのことを言っており、
    みんなの愛で変身したフォーエバーラブリーの名前には、後者の意味が込められているのでしょう。



    前者の、幸せが心の中に残り、そのことに価値があるというのは何とも優しい発想です。

    現在から遡って過去の幸せの価値を否定することは出来ず、さらに過去の幸せは永遠に心の中を照らし続け、人間にとって大切な宝物であり続けるはずです。

    きっと本作を観た小さい子供達にとっても、作品から受け取った幸せがいつまでも心に残り続けるでしょう。
    前期ED「プリキュア・メモリ」の歌詞の「忘れないでね 愛と勇気」という部分も、そういったことを想像させます。



    一方、後者の愛が新たに生まれ続けるというのは、秋の映画「人形の国のバレリーナ」に通じる考え方です。

    不幸にも願いが叶わず、幸せを失ってしまうこともあります。
    しかしブルーの言葉を借りれば、人は心の鏡を通じて互いに愛を伝え合うことで、新たに愛を生み出すことが出来ます。

    映画を観ていない方の為に具体的なことには触れませんが、人から受け取った愛を信じることで、新たな幸せを作り出すことも出来るはずです。

    そしてそれは、ブルーに対する失恋を受け入れ、それでも諦めず“みんなと”幸せを探し続ける決心をしたラブリーだからこそ自信を持って言えることでしょう。

    因みに映画に登場したつむぎちゃんは、最終回に一瞬だけジョギングをする様子が描かれていました。
    彼女はきっと、一度失った幸せをもう一度つかみ取ろうと頑張っているのでしょう。



    ラブリーのこういった発想を、何故神たるレッドが出来なかったか。
    レッドとラブリーの違いは仲間の有無でした。

    第1話でひめがめぐみに愛の結晶を当てたのは、ひめにとっても重要な出来事でしたが、めぐみにとっても同じことです。
    彼女が愛や幸せを信じ続けることが出来るのは、仲間の支えがあってこそでした。

    ラブリーとレッドの差は、めぐみが初めてレッドと対面した第44話ではっきり出ていました。
    誠司やプリキュアの仲間達のお陰で、ラブリーは自分の信念を貫き通すことが出来たのです。

    一見ラブリーだけが活躍したかに見える最終回も、フォーエバーラブリーはみんなの愛があったからこそ戦うことが出来たのです。
    (ある意味で“みんな”の中には、TVの前で応援し続けたであろう子供達も含まれるはずです。)

    こういった所で、友人が何故大切なのかをハピネスチャージなりに表現したのではないでしょうか。

    そして「愛は繋がる」ので、フォーエバーラブリーはレッドに「もう一度愛を信じて 幸せになることをあきらめないで」と言ったのです。
    キュアハッピーの技と名前がかぶり気味でしたが、プリキュアフォーエバーハピネスシャワーはその愛を直接レッドに伝える手段でしたね。

    何度幸せを失っても、それで終わりじゃない。

    映画や第44話で使われた挿入歌「勇気が生まれる場所」の歌詞「幸せを諦めないの 私達は絶対大丈夫」も、同じメッセージを強く訴えていました。



    「愛は幻 幸せは一瞬」の否定は、辛い思いをしている人を救うテーマでした。
    私も心が挫けそうな時に本作のメッセージが思い出せればと思います。





    ところで他の2つのテーマはどうだったでしょう。

     <(主に中学生の)恋愛とその結末>
     <4人の成長>



    恋愛については放送前から煽っていた通り、プリキュアシリーズの過去作より踏み込んだ描写をしていた気がします。

    300年ぶりの復縁を除き恋がはっきりと成就したケースは他に無かったと思いますが、上手くいかない所も含めて恋愛であることを考えれば、ある意味では丁寧に扱われたテーマだったのでは無いでしょうか?

    まあ吊り橋効果の解説という酷い終わらせ方もありましたし、「でも俺のこと嫌いじゃないだろ」という名言もありましたが。



    そして4人の成長もしっかり描かれていましたね。

    ひめはめぐみと出会うことで、臆病な自分を克服して勇気を得ることが出来ました。
    そしてそのことは第1話からキュアプリンセスを見ていたナマケルダも納得していたでしょう。

    いおなも仲間を得て、その仲間を救いたいという思いから自身が世界を救う希望となって、絶望的な運命に打ち勝ちました。
    第22話の再変身してファントムに勝利するエピソード、及び第38話などの姉を救い出すエピソードが印象的です。

    主役のめぐみも失恋という挫折を経験しながら、仲間の支えもあって「みんなを幸せハピネスにする」という信念で世界を救いました。
    第1話ラストの「不幸はここまで!」という台詞を1年かけて実現したのです。

    えーっと、ゆうゆうは…。
    最初から優しい子でしたし、ご飯へのこだわりも終始一貫変わりませんでした。
    あの子だけは成長の余地が無いくらい、完成した人物だったのかもしれませんね。



    いずれにしても、4人の成長は全て仲間との関係から生まれたものです。
    世界各国にプリキュアチームがありましたが、ぴかりが丘の「ハピネスチャージプリキュア」というチームは、4人が揃って初めて意味があったのです。

    だからこそ、地球の神ブルーは最後に人と人との関係を作るキッカケである愛の結晶を彼女達に与えたのでしょう。

    彼自身はほぼ何もしていませんでしたが、このチームを作り出すキッカケを作ったことは彼の大きな殊勲だったと言えます。
    その意味で神だけあって先見の明だけはあったのかもしれません。





    そんなこんなで1年間楽しませていただいたハピネスチャージプリキュアの感想もここまでです。
    (映画感想は…DVDを購入して後に書く可能性をまだ諦めていませんが。)

    ブログの内容は我ながら酷いものですが、それでも思い出せば幾らでもハピネスチャージに関する思い出が溢れてきます。

    今回大したことを書いていないのに更新が遅くなったのは、最終回を観た後に色々なことを思い出していて気がついたら夜になっていたからです。

    さらに作品そのものの思い出以外にも、この1年は色々な経験をさせていただきました。



    まず今作は10周年ということで、番組冒頭で歴代のプリキュア達の挨拶という嬉しいイベントがありました。

    毎回誰が出演するかを楽しみにしワクワクして待ち、スマホのプリキュアアプリを起動してTVの音声認識させることに苦労したのもいい思い出です。

    外出時にはワンセグ音声を道端で出してスマホ自身に認識させるという恥ずかしいこともしましたし、ライブ遠征で名古屋に行った際は、某施設のTVで周囲の迷惑にならない様にギリギリまで音量を調節したりもしました。



    また作品のスタートに少し遅れて始まった公式ラジオ番組「吉田仁美のプリキュアラジオ・キュアキュア♡プリティ」も毎回楽しく拝聴し、時々パーソナリティの吉田仁美さんに私のメールが読まれた時などはとても興奮しました。
    4枚ある(恐らくもうすぐ5枚目も送られてくる)ラジオ番組ノベルティグッズの「お友達の証」はいい記念になりました。

    個人的にプリキュアラジオで一番の思い出は私のメール中のサイアークの台詞を、サイアーク役の増元拓也さんご本人が演じて下さったことでしょうか。

    ※なお、プリキュアラジオ自体は少なくとも2月までは続きます。
    4月改編を乗り切れるかは不明ですが。



    また昨年は他のファンの方が企画した、大阪の広い会場でプリキュアシリーズのEDダンスをみんなで踊る「ダンスオフ」にも参加しました。

    練習含めて数時間に渡ってダンスを踊るハードなイベントでしたが、とても楽しく、またツイッター上でつぶやきを見かける方と直接お会い出来る貴重な機会にもなりました。



    そして例年行っている映画の舞台挨拶。春はせっかく歴代の声優の方々が出演されたのに仕事で行けず悔しい思いもしました。

    秋の映画舞台挨拶も行けないかと焦ったりしましたが、何故か今年は10回以上も舞台挨拶が行われ、余裕で大泉の舞台挨拶を最前列で観ることが出来ました。
    舞台挨拶感想を書けていませんが、壇上の(大森ゆうこ/キュアハニー役)北川里奈さんの号泣は心を打つものでした。

    秋の映画は内容も非常に盛り上がる良い出来でとても好きになり、映画を見た後に無性に作中の挿入歌「勇気が生まれる場所」を歌いたくなって困りました。
    今は3月のDVD発売が待ち遠しいです。

    また今年の秋の映画は、京都で行われた公開初日の深夜0時に始まる最速上映回で最初に観ました。
    レイトショーでプリキュア映画を観る初の経験も楽しかったですが、その後の関西プリキュアファンの方々とのカラオケアフターイベントも最高に楽しかったです。



    テーマ曲歌手が出演される夏の関西ミュージカルショーは、今年は大阪だけでなく地元神戸にも観に行きました。
    さらにテレビ朝日イベントスペースでのプリキュアショーにも遠征し、それぞれOP歌手の吉田仁美さんとED歌手の仲谷明香さんの歌やダンスに魅了されました。

    特に今作を通じて初めて知った仲谷明香さんの可愛らしさは衝撃的でしたね。
    流石元AKB48と感心させられました。


    これらの思い出、全てハピネスチャージプリキュア!が繋いでくれたものです。

    ひめが愛の結晶を投げるという暴挙に出て繋がった人と人との関係は、ぴかりが丘と全く異なる現実世界の私にもとても大きな影響を及ぼしました。

    もう一度、ハピネスチャージプリキュア!の全ての関係者の方に、心から御礼を申し上げます。
    1年間とても楽しませていただきました。素晴らしい作品を夜に送り出して下さり、本当にありがとうございました。

    ハピネスチャージを通じて注入された幸せは、ずっと私の心の中に残り続けます。


    そしてプリキュアシリーズは今後も続きます。

    ハピネスチャージのラストでラブリーが紹介してくれたキュアフローラのプリキュア「Go!プリンセスプリキュア」も同様に思いっきり楽しませていただこうと思います。

    何せ1年間お世話になったラブリーからのご紹介ですからねえ。
    取り敢えず今後1年間の基本挨拶はごきげんようですかね。

    それでは

    不幸はここまで!
    お覚悟はよろしくて?




    後から思い出したことを追記していきます。
    1つだけで終わるかもしれませんし、だらだら幾つも書くかもしれません。

    追記1

    作品の本筋と関係無かったので来ませんでしたが、最終回前半のフォーエバーラブリーとレッドの格闘戦はよく動く素晴らしいものでしたね。

    年に1回だけでもああいうのを見せられると、それだけで作品の魅力の1つとして認識されます。

    因みにフォーエバーラブリーがあれだけ強かったのはみんなの愛を受けたという理由の他に、そもそも戦闘センスが良かった(ライジングソードやパンチングパンチ、目からビーム、ラブリーブラスターを考案する素晴らしいセンスの持ち主)ということと、氷川流空手の修行がたった1日だけとはいえ効いていたと思いたいです。

    そういえば、レッドが放った5つのビームを弾く時にラブリーは手を回していた気がしましたが、あれは繰り返し練習していた空手の防御では?(たぶん違うでしょうが。)




    他ブログ様感想ご紹介

    四十路男の失敗日記

    弟の星が繁栄していることに嫉妬したレッド。何とも人間臭くてよろしい。


    たぶんレッドがブルーと兄弟だったという設定は、ディープミラー時にブルーとシルエットを似せることでミスリードを狙うためだったんでしょうが、それがいい具合に人間臭さに繋がりましたね。

    真・南海大決戦

    めでたしめでたしのハッピーエンドから零れ落ちた者へ焦点を当てて行く最終章は、多くの既存ハッピーエンドに対する反抗的一撃のようにすら感じました。


    私の感想でここに関する言及が抜けていたのは迂闊でした。
    恐らく今作の構成上の一番の重要ポイントでしたね。

    というか上記ブログは私のエントリーと違い、本当に読み応えのあるしっかりした感想が書かれています。
    また、ブログ管理人のTJ-type1様による冒頭の絵は必見です。

    ~紹介ここまで~
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    ミュージカルやライブなど、
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    「かずといずみ」先生に描いていただいたキュアピーチです。

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